日々の雑感、他愛ないこと。印のように記してみたり。日々の呼吸を此処に。 忍者ブログ

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THE BIG GIG AGAIN


 突然だった。正午になって何故か荷物がまとめられず、参拾分後WOWOWの無料放送の番組を観てやっと事の次第が呑み込めた。父が亡くなった知らせを受け荷物をまとめたときと同じだった。表面は落ち着いているのに、興奮していたらしい。
 参時間後駅に向かったときは落ち付きをとり戻していた。いつもと逆だった。いつもはこれからライブを観るのだと想うと、電車に乗ったあたりからライブが始まったときまで躯がふるえている。待つ間会場の椅子に座っていると膝がふるえるのでどうやってふるえをとめようとばかり考えている。
 今夜は野外ライブだった。建物や内装が素晴らしく音響のいい処で音楽を聴くのもいいけれど、野外ライブはまた別だ。熱い陽射し、ぷんと鼻につく夏の匂い、陰影、蝉の声、濃い緑、高層ビル、暮れてゆく空、時々腕を撫でる湿った風、とまらない汗、躯の火照り。そうして全身で聴いて音を抱いているかのような感覚になる。そして、体感はそのまま記憶になっていく。
 帰りたくなかった。帰りたくなくて、終わっても暫く椅子に座っていた。階段を上っていくときも何度もステージを振り返り、しまいには鉄柵を握りステージを眺め小さな声で帰りたくないと言ってしまっていた。どう云うわけか、こんなに帰りたくなかったライブは久し振りで、自分でも戸惑っているのがわかった。会場が野音だったからだろうか。でも、おととしの夏も野音で同じバンドを観ているのに・・・。

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