日々の雑感、他愛ないこと。印のように記してみたり。日々の呼吸を此処に。

(6月からお休みしていましたが、再開しました。)
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 早朝、雨は雪になった。
 雪は周りの音や色を消してくれる。目移りしたり惑ったりしない分、普段余り考えないことが頭に浮かんだり普段なら見過ごしてしまうものを眼が捉えてくれたりもする。それから雪にも濃淡があり陰影がある。其れらは陽光ばかりが作りあげるものでないことを改めて雪の日に感じる。そしてみつめているうち、濃淡も陰影も決して黒と灰と白とでできているそんな単純なものでなく、もっと彩りがあるものだと判ってくる。雪は景色を埋めてしまうのでなく、景色を掘り起こすのかもしれない。
 外に立ちすっかり冷えてしまった指先を頬に当てると、血の匂いがした。昨日切ったばかりだったことを思い出し、気が付くと薄暗い中ひとりで笑っていた。自分と対峙するには雪の日がいっとういいように想う。
 此のまま降り続き、時間の経過とともに顔を現すいつもの喧噪を吸い取ってくれたらと願ってはみたけれど、雪はものの参拾分で雨に戻ってしまった。

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