日々の雑感、他愛ないこと。印のように記してみたり。日々の呼吸を此処に。

(6月からお休みしていましたが、再開しました。)
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雨天


 弐時になり降り出してきた雨は本格的な雨になった。始めは郵便受けの天板を叩く音が耳に入るだけだったのが、しだいにさあさあと水の流れる音で耳の中はいっぱいになり、窓の外は水浸しになっていった。時折カーテンを持ち上げ部屋に入ってくる風の冷たさが気持ちよく、机に向かっていても其の都度顔を上げ笑ってしまう。雨の日は外も部屋の中も空気に朝の青みがかった色を残している。あたしは其の青みがかった空気がとても好きだ。湿気で匂いをとり戻した乾燥花も淹れたての珈琲も何か懐かしいものに想えてきて、彼是と他愛も無く過ぎてきた過去に手を伸ばしてみたくなったりもする。
 ・・・今年もこんなふうに梅雨を過ごす筈だったのに、残念なことに今年は見事な空梅雨になってしまった。あたしの躯は体温の上昇と血圧が下がったのとで毎日横にならずにはいられず、丁度パソコンに向かっていた時間が無くなってしまった。其れは其れであたしに何ひとつ不都合をもたらすものではないけれど。紙に綴っていた頃と同じ、ひとりで机に向かい、たまに記したものを誰かに見せることはあっても其れで会話すると云うことはなく、ただ其のことで付き合いが始まる人がいるのは嬉しいことだと想う。きっとサイトを失ってしまっても其れは変わりないのだろう。
 雨にしろ歌にしろ何にしろあたしの耳や眼に入ったものは決して声高ではなかった。寧ろそう云うものの蔭に隠れていたかもしれない。けれど心惹かれずにいられなかった。偶然でいい。其処に置かれてあったことが自分にはだいじだった。伝える為に言葉があり声があると言うなら、あたしはそう云う伝え方を選ぶ。あたしが置いたものを手に取る人がたったひとりいるかいないか、であってもいい。感性、と言う人が沢山いるけれど、自分はやはり感受性かなと想う。受けることは素敵だ。雨にしろ歌にしろ、其れで、壱日が、言葉が、自分の器いっぱいになっていくことならあたしは知っている。其のことを未だ知らない人がいて、偶然あたしの言葉を拾い、其れはちょっと愉しいことかもしれないとでも想い其れを知ってくれたなら、素敵かな・・・などと想う。

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