日々の雑感、他愛ないこと。印のように記してみたり。日々の呼吸を此処に。 忍者ブログ

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読了


 生まれて初めてできたことに、生まれて初めて読了と云う言葉が頭に浮かんだ。過集中になることなく、小説を日をまたぎ少しづつ時間を掛けて読むことが初めてできた。然も其れがずっと読みたがっていたものであり且つやっと手にできたものともなれば、悦びと安堵と疲労感が入り交じり、自分にとり其のことは読了以外のなにものでもなくなっていた。
 日記を辿ると捌月の半ば頃読み始めたようで、およそひと月半掛かったことになる。途中で区切りをつけるのはそう難しいことではなかった。最初の頃こそ湯を沸かしたり鍋を掛けたり目覚ましを鳴らしたりしていたけれど、途中から何もしなくなった。ただ、読み始めたら区切りがつけられるだろうかと想うとなかなか本が開けず、何日も放っておくこともしばしばだった。
 それでも幾つかの章で成り立っている小説ならば、次からも区切りをつけて読むことができると想えただけでもいい。幸い次に読もうと想っているのは中篇の連作になっているもののようだ。其れに此のB5サイズの書籍は古本屋で求めたものであり、煙草の匂いが沁みついていて、長い時間読んでいる方が難しいかもしれない。
 それにしても読書し疲労を感じたのは村上龍のフィジーの小人以来弐度目のことであり(此の話は読んでいて途中で気分が悪くなってしまったので。)、暫くは読書したい気にならない。・・・と想いつつ、読み終えたものがずっと読みたがっていたものだっただけに自分が読んだ此の作家の中で最も好きな話かもしれないなどと感じていて、読み終えた後も笑ってしまうくらい何度も手に取ったり中をぱらぱらと開いてみたりしている。
 いずれにせよ、読書が愉しいものであることに変わりないだろう。

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