日々の雑感、他愛ないこと。印のように記してみたり。日々の呼吸を此処に。

(6月からお休みしていましたが、再開しました。)
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葡萄をひと房


 心残りは葡萄を食べていないことだと想い、値下げ品の籠の中に大きな粒のものをみつけ迷わず買ってきた。
 春なら檸檬を、秋なら林檎を、冬なら蜜柑、そして夏なら桃を、まるで灯りを置くように机に乗せるのが好きではあるけれど、葡萄も捨て難い。決して灯りのように明るい色はしていないものの、或の黒い紫の光は暗闇でみつけることのできた落とし物か、或いは薄暗い木蔭にいるとき突然現れた黒蝶のように感じられ、近付けば悪いことがひとつ消えたときと同じ気持ちになる。そんなふうに果実の持つ瑞々しさは時々胸に現れる清々しさに通じていたりもする。

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