日々の雑感、他愛ないこと。印のように記してみたり。日々の呼吸を此処に。 忍者ブログ

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 花瓶いっぱいの貝殻草に線香の匂いが絡みついていた。今年から捌月拾壱日が祝日になったことを父が知ったらどう想ったろう。たぶんあたしと同じで興味のなさそうな反応をしておしまいだろう。けれど心にとめたことは何年経とうと憶えているのが父だった。
 今年も裏木戸の処に絡みついた朝顔は、屋根まで届きそうな勢いで葉を茂らせている。零れるだけ種を零させるわけにもいかず、枯れる前に抜いてしまうのに、結構生えてきてしまった。きっと放っておいたら、或の秋桜と同じようなことになってしまうのだろうか。
 あたしが摘んで持ち帰ったひとつぶの種から生えた芽を、誰も構わずにいたら、廣い庭の壱画が見事な秋桜畑になった。其処にはひとりでに南瓜ができた。そんなことを今でも鮮明に憶えている。
 いつか自分の気付いたことや想っていること、していることが、ひとつくらいは父と繋がる日が来るかもしれない。あたしの手にしているものは頼り無く弱々しかったりするけれど、彼が土を均し種を埋めていってくれたから、小さな実を生らす樹木ができてたとしてもおかしくないと想う。

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