日々の雑感、他愛ないこと。印のように記してみたり。日々の呼吸を此処に。

(6月からお休みしていましたが、再開しました。)
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散歩


 嫌なことが頭に浮かばなくなると苛立ちも消えていた。買い物がてら散歩に出、途中久し振りに古本屋を覘いてみた。教えて貰ったブコウスキーの文庫でもあればと想ったが簡単にはみつからず、けれどそう想い立ち寄った御蔭で珍しい壱冊が手に入った。
 南京攻略戦をルポタージュした作品で、昭和拾参年に「中央公論」に肆分の壱ほど伏字削除され発表されたものの即日販売禁止になり戦後刊行され、此の壱冊は其の後傍線を付け伏字部分を明示した伏字復元版とし文庫化されたものとあった。
 石川達三の青春の蹉跌は映画にもなっていて、テレビで放送されていたのを弐度ばかり観ている。そして古本屋でみつけたのも青春の蹉跌の壱冊きりで、自分は青春の蹉跌しか読んだことはないが、此の作家に惹かれるには其れだけで充分だった。
 言論の自由などと言いはするが、覚悟を持ってする発言が今の時代(日本国)にどれくらいあるだろう。インターネットの普及により簡単に物事を知ることができるようにはなったけれど、どれくらい頭に入れられているだろう。新しいものを手に入れると其れがとてもいいことで万全であるかのような気にもなったりするけれど、どれにも必ず負が付いてくることを忘れてはいけないだろう。欠けていくものに気付いたとき、成熟は始まるのだろうか。

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