日々の雑感、他愛ないこと。印のように記してみたり。日々の呼吸を此処に。

(6月からお休みしていましたが、再開しました。)
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山櫻


 家を出、小さな橋を渡ると、櫻並木の通りに出る。其処の櫻は山櫻で染井吉野より少しばかり早く開く。其のことだけでも引っ越してよかったと想う。
 或の部屋は息苦しかった。垢の沢山付いた生活や人付き合いは直そうとしても、自分だけの問題でないものを動かすには限りがあった。引っ越せば気分くらいは変わるだろうと引っ越してみると、殆どのことがまるでひっくり返したように変わったのには驚いた。そう云う時期でもあったのだろうか。
 満開の山櫻を眼に入れ、去年の櫻のことを思い出していた。丁度剪定中に自転車で通り掛かったのをいいことに、枝垂れ櫻の枝を戴いてしまった。自転車の籠に入れているときにはそう感じなかったのに、いざ家の中に入れてみると随分立派な枝だった。家の中にあれほど立派な櫻があるなんて、後にも先にもあれが壱生に壱度のことだったかもしれない。
 夢のような春だったと想い乍ら、今年も随分と・・・、とおとついの夜のことを思い出すとまた泣きそうになった。

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