日々の雑感、他愛ないこと。印のように記してみたり。日々の呼吸を此処に。 忍者ブログ

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山の日に


 父の生まれた日は今年も暑かった。けれど湿度は低く、正午を過ぎ台所の窓辺に掛けた吊り篭が落ちるほどの風が出てきた。冷凍庫から氷菓子を取り出しくわえすぐに想ったのは、天麩羅でもあげるか、だった。花を買うのもいいけれど、食べ物で祝うのも悪くなかろう。
 山の日に決まり、今年から祝日となった日に、ぼんやりと父のことを想った。父が最後に暮らした家より、父と最後に暮らした家の趣の方が頭に浮かぶことが多い。彼が元気だった頃は、怒る姿が彼の印象でしかなかったが、今は落ち着いた姿しか浮かばない。何故毎日欠かすことなく怒っていたのか、考えればすぐわかることだったのに、鬱陶しく考えられなかった。父は酷く神経質だった。そして自分もだ。父の死ぬ頃まで自分も酷い神経質だった。ただ、父と違うのは自分はひたすら隠すことをしてきたのと、父を想うことでかなり治まったことだ。最近まで日記も弐重に書いていた。毎日毎日爆発し暴走するような感情が今は無いとは言えないが、表面に出てこない。足元の辺りに転がってこそいるのだろうが、胸まであがってこない。
 ・・・蝉の声が煩い。いい季節だ。今日も通りの芙蓉を見に行くことにしよう。

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