日々の雑感、他愛ないこと。印のように記してみたり。日々の呼吸を此処に。

(6月からお休みしていましたが、再開しました。)
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夢のような出来事


 下北沢まで出掛けるのがだんだん辛くなってきたと思い始めたときだったので、今回のツアーに電車で数拾分の町の名をみつけたときは安堵した。
 どんなライブハウスだろうと小さなカメラを持っていったけれど寫眞に収める必要は無かった。嬉しかったのは客を入れるとき、大抵は拾人づつ入れるのに、壱番づつ番号を呼びひとりづつ客を入れてくれることだった。もう弐度と行くものかと想い今でも前を通る都度中指を立てるライブハウスは、客の入れ方が気に入らなかった。壱番の番号だったから余計そう想う分差し引いても余る。ざーざーと素麺でも流すように客を入れていたし、チケットを見るだけで番号の確認はしていなかった。観たい人が間違ってまた来てしまったら、観たい人がやってきてしまったら、来て欲しくないと手紙を出すかもしれない。ステージもうんと廣く、其れを見てなんとなくうんと愉しい夜になりそうだと想っていると、本当にそんな夜になった。
 何度も笑う彼を見るのは初めてだった。こんな日に壱番前で見られたのは幸いだった。そして自分にとり極めつけだったのは、初めて彼が日本のロックバンドのナンバーをカバーするのを聴けたことだった。其れが「世界の終わり」、ミッシェル・ガン・エレファントの楽曲だった。HARRYがひとりで鳴らす或のギターの音はそれはそれは恰好よかった。
 夢のような数分間に立ち会える。そう云うことで人は生きていけるのだろう。そして、大人になってよかったとか、齢を喰ってよかったとか、想うものでもあるだろう。
 あなたが壱番好きなものは、と問われたら、今はきっと自身の記憶と応えるだろう。

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