日々の雑感、他愛ないこと。印のように記してみたり。日々の呼吸を此処に。

(6月からお休みしていましたが、再開しました。)
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古代蓮


 今年も古代蓮に逢いに行った。
 早起きはしたものの開きかけの時間に間に合う筈もなく、見事に開いてしまってはいたけれど、あたしをがっかりさせるには至らなかった。光に透けた花びらの紅色ときたら、浄土だとか彼岸とかがあるならこんな処かと想う。(天国とでも言ったらわかりやすいのだろうけれど、やはりあたしには其処は空にあるものでなく向こう岸にあるものだ。亡くなった者も空にいると云う感覚は無く、亡くなった者を思い起こすときは草葉の蔭に眼をやってしまう。)
 種子が自然に発芽したものだと言うが、どれくらい長い時間種は眠っていられるものなのだろう。蛍はこう云うわけにはいかない。生まれた村の元は沼だった場所を想うとき(今では埋め立てられたと聞いている。)、発芽した蓮を羨ましく想う。植物は帰ってくるかもしれない。けれど生物は帰ってこない。生活が第一だから、と声を耳にする都度、他を喰い殺して生きている自分を時々うっかり忘れることを嘲笑わずにいられない。
 昼過ぎに帰宅すると、珍しく深い眠りについた。

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