日々の雑感、他愛ないこと。印のように記してみたり。日々の呼吸を此処に。

(6月からお休みしていましたが、再開しました。)
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リラ


 花屋の店先にアカシアが置かれていたのはたった壱日に過ぎなかった。伍月になり薄紫のリラが入っているのをみつけ今度は迷うことなく求めた。
 梔子に椿、さざんかにこでまりにアカシア、・・・と自分が樹木に咲く花をより好きなのではないかとリラを手にし乍ら想った。ひと枝とは言えリラはやわらかな感情をもたらしてくれる。牛乳瓶に似た硝子瓶に挿し玄関に置いた棚の上に乗せると、伍月も悪くないと想えた。
 いつからか憂鬱な月になった伍月をまた好きになろうかと想うところで毎年終わってしまう。新緑、野薔薇、麦、磨いて軽くなった自転車、坂道に吹く風と樹木の影、・・・。何処にでもいるようなあたしの何処にでもあるような嬉しさは無くなってしまった。壊したものは月日を掛け帰ってきたのに、壊されたものは未だに帰ってこない。それとも時が此処からずっと遠くにあるだけなのだろうか。腕時計はもうずっとしないままでいるのだけれど。

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