日々の雑感、他愛ないこと。印のように記してみたり。日々の呼吸を此処に。 忍者ブログ

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ハリネズミとクロと


 生きているとか冷凍のものだとか云う以前に寫眞に映ったものさえ昆虫と云う昆虫がさわれないので、到底飼育することは無理だと知りつつ、休日の都度ペットショップに置かれた籠に張り付き眺めている。夜行性のハリネズミは躯をまるめただ眠るばかりで、此の半年の間顔をちゃんと見れたのは壱度しかないけれど、臆病で神経質でなかなか人になつかないと聞いたときから気になって仕方ない。たぶん誰かに似ているからかもしれない。
 うちのクロに顔が少し似ているような気もするけれど、臆病で神経質なくせあいつは人をそう怖がることないし、市販の亀餌だけでも育つからハリネズミとは異なる。

 去年、靴下の上に穿くもこもこした靴下は猫の柄にした。今年はハリネズミの柄をみつけ、迷わずハリネズミの柄にした。其の靴下を穿きクロの上に足を乗せ、毛糸で作った洋服を甲羅に被せたらハリネズミみたいになるだろうかなんて考えていた。クロにとっては間違いなく迷惑な話なんだろうけれど、なんだか悲しくてせつないんだ、とつぶやいたら通じたのかどうかはわからないけれど、彼はいつもよりとても長く一緒にいてくれた。
 何佰萬といてもひとりぼっちのこはひとりぼっちで、何人かともだちがいたとしてもひとりぼっちのこはひとりぼっちで、生き物はみなとどのつまりはみんなひとりぼっちだ。クロの酷くやわらかいものに胸をくすぐられても何か変わるわけではない。ただ、其れはひとりぼっちと云う感覚に汚されるものでもなく、彼を抱き上げようとすると彼は既に眠りについていた。

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