日々の雑感、他愛ないこと。印のように記してみたり。日々の呼吸を此処に。 忍者ブログ

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イル・ポスティーノ


 ビデオテープにも録画したと想うが、また録画し放っておいた。観るのが辛く、それほど繰り返し観ない映画が何本かあるが、イル・ポスティーノのと云う作品もそうで、たぶん初めて見たのは拾年以上前だと想うのに、観るのは今回で参度目だった。
 好きな作品はおおまかにして参通りある。ひとつは繰り返し繰り返し味わっているもの。こう云うものは棚の必ずわかる場所に入っている。ひとつは折にふれ思い出しては開き或る場面や或る言葉などを眺めるもの。此れは表紙が眼につくよう棚の手前に入っている。もうひとつは、棚に入っているには違いないが場所は意識せず置いてある。年に壱度もふれないこともある。それどころか何年も放っておいたりもする。
 どれも胸に残り躯の奥の方をつつく。どれもいとおしくかけがえのないものであることに変わりないのに、繰り返し繰り返し味わうものも齢を足す毎年に壱度もふれないものになっていっている。ものを考えることやものを想うことに痛くてたまらないことが混ざり溶け合い、まぶしく熱く迂闊に手を出せないものになってしまった。
 イル・ポスティーノの再び観るとき、また想うのだろうか。自分の好きな青は此の黒の混じった青、和名で言うなら藍色なのだと。

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