日々の雑感、他愛ないこと。印のように記してみたり。日々の呼吸を此処に。

(6月からお休みしていましたが、再開しました。)
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アネモネと呼吸を合わせた日々に


 呼吸が苦しくなったとばかりにアネモネが大きく口を開いた。寒い玄関に置いたけれど、嫌でも時には追いつかれてしまう。やがてアネモネは花びらを落とすだろう。アネモネがひとつ萎れる都度、其れとは正反対にあたしの頭からひとつづつ苦しさが出ていく。
 声は声にならず、例え声になっても余りにも果敢無い。一瞬に留まった次の瞬間には空気の中へ散っていく。そのくせ一旦刃になり向けられた声は、人の内にいつまでも留まり内側から人を傷付ける。
 他人に自分を解って貰おうなどと想ったことはあたしにはない。他を理解しようとしても、理解は自分の見解を越えることなく他に近付けはしない。理解はあくまでも自身のものでしかない。理解よりあたしはおもいやりが好きだ。理解できなくとも他に心を砕くことはできる。だからあたしは自分に冠など乗せはしない。同じような冠を乗せた他者と知り合える機会は増えるだろうが、冠を乗せた者に近付きたいとは想わない。
 厄介な声は剥がせるものでもないけれど遠ざけることは難しいことではない。正反対な声を自分の内にしっかり持てばいい。例え声にならなくとも、零れた途端呆気なく空気に散っていくものでしかなくても、其れは自分の呼吸になっていく。萎れていくアネモネと代わるように、あたしの中で風にゆれるアネモネが顔を見せ始めていた。

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