日々の雑感、他愛ないこと。印のように記してみたり。日々の呼吸を此処に。 忍者ブログ

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 伍月が始まるまであれほど次から次へとわさわさ咲いた花々がぷつりと姿を見せなくなった通りに、また花が顔を見せ始めた。黄色の花をつけた植え込みにビヨウヤナギと書かれた札が刺さっていたが、必ずしも黄色の花の名だとは限らない。それほど何種もの樹木が混在し植えられている。通りの向こうには郵便局や税務署などがあり、通りはマラソン大会や自転車レースなどに使用されている為だろうか。此の辺りは随分花が多い。
 ぼくは通りに沿った遊歩道を毎日のように歩き、其の都度ぼんやりと灯る小さな明かりを頭上に置かれた気分にもなるが、忙しなく眼を動かすことも忘れない。きっと小さな川があるからだと想っている。たまたま入り込んだに過ぎないのだと頭では考えているのに、百足や薄羽蜻蛉を眼にした恐怖が拭えず怯えとなりぼくの周りに浮遊する。此の頃一定の距離を保つことはしてくれるようになったが、何処かへ行ってしまうと云うことはないだろう。
 随分とくつろいだ恰好で通りに立つと、夜空に赤い星が見えた。いとおしいものを刻むのも記憶であり忌まわしいものを残してしまうのも記憶で、目を閉じ深く息を吸い現れた記憶に手をあげ挨拶すると、記憶の奥で流星群が光って消えた。

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