日々の雑感、他愛ないこと。印のように記してみたり。日々の呼吸を此処に。 忍者ブログ

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 外は小雨が降っている。紫陽花の花は咲き揃っていない。
 伍月はやはり散々で好きになれそうにもないけれど、それでも此の伍月はいつもと違うと感じている。拾年空白が続く明日の日付の日記を今年も記すことはないだろうが、詩を書き絵を描き、こそこそと始めたことがあり、小さな秘密も持った。日常としてきた些細なことが戻ってきた。
 自身を語ることが苦手だったぼくはせめて日記ではと務めるようしてきたけれど、自身の観察はもうやめていいのかもしれない。
 終わりは始まりだと想うと、耳の傍に歌がやってきた。「ちょうど波のようにさよならが来ました/言葉はもう何もいらない/ただ見送るだけ」と歌はささやき、波のように静かにいった。暫く誰の何と云う歌かわからなかったけれど、佐野元春のグッドバイからはじめようだとわかったとき、歌はもう壱度やってきて薄暗い部屋の机に座るぼくの頭の中に紫陽花色の波を拡げると、また静かに消えていった。

 今夜は海に行かない。波が随分近くにあるから。

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