日々の雑感、他愛ないこと。印のように記してみたり。日々の呼吸を此処に。 忍者ブログ

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 衣類と一緒にシーツを弐枚押し込んだ。静かに廻る洗濯機は、もうカタカタと言い話をしない。玄関の扉を開けるとよく見掛ける黒と白の毛の混じった猫がいた。眼が合うと躯を硬くしたように見えたけれど、其れはほんの何秒かで、すぐまたくつろいだ様子でアスファルトの上にごろごろと寝転んでいた。天気は久し振りに晴れ。亀たちの水槽の上に洗濯物がずらりと下がった。
 外は暑いらしく、しだいにエアコンの室外機の音があちこちから聞こえてきた。前のアパートはいち早くエアコンを付けるような部屋だったのに(自分が付けなくても)、此処は違うと想っていると弐階の部屋の室外機が音を立て始めた。日当たりの分だけ弐階の部屋は暑いのかもしれない。弐階の部屋の室外機の風が入り壱階の部屋は暑くなるかと想ったのに、逆だった。風は不思議と冷えていた。
 夏になったら壱階の部屋はどう変わるのだろう。湿度が低ければ外が参拾度あっても扇風機もそう要らず、今は助かっているが。初めて迎える夏に鼓動が高まっているのが判る。少し死の匂い(夏の或る独特の匂い)がしてきたと想っていると、雨戸のレエルに黄金虫、の屍骸なんだろうか、が弐匹も落ちていた。瞼の裏に朱い夏がちらちらしている。

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