日々の雑感、他愛ないこと。印のように記してみたり。日々の呼吸を此処に。 忍者ブログ

昨日の果実と今日の果実と


  髪を切ったのは参週間前だったろうか。だいぶ短くして貰ったせいか、朝起きるとふくれあがっているうえ癖がつかずどうしたものかと想っていたけれど、此の頃ふくれあがっていることもなく掻きあげただけで脇の髪が後ろに流れるようになった。着る服が定まってしまうような髪型の面倒臭ささからやっと解放され、朝が軽くなった。
 全くどうしてだか敷いておくと必ず自分の方の布団に潜り込んでいる亀のことも然程気にならなくなったのは、涼しくなったのに加え髪の煩わしさが消えたからだろう。
 雨と曇り空ばかり続く天気に半袖のTシャツと長袖の入れ替えをした。そろそろ編み物を始めてもいいかもしれない。蓮の花托はいい具合に乾燥花となり、芒の花を見掛けるようにもなった。臥せている間に逃してしまったこともあるけれど、気持ちを切り替え拾月を迎えることとしよう。
 先ずはやはりジャニス・ジョプリンの参枚組ボックス・セットを聴くことから。・・・傍目には毎年変わり映えしないように見えるだろうけれど、あたしの胸の内では全く違うことだ。誰にわからなくていいことだけれど。壱日壱熟。昨日の果実と今日の果実の様子は異なる。そろそろいちじくも出回る頃だろうか・・・。

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今朝のできごと


 鳥でも獣でも、何であろうといい。自分が何者であるかなんてどうでもいい。だいだいそう云うことは嫌でもいつかそれなりに知ることになるものなんだろう。雑踏の中で耳を澄ますことと、雑踏の中にいられることが、自分を落ち着かせてくれている。見世物小屋で飼われることになっても、飼い主になつくことはないが呼吸の仕方を上手に覚えたくらいには空気となかよくなれた。他所へ行っても同じだろう。
 昨夜はよく眠れた。頭だけになってしまったひまわりを今朝新聞紙にくるんだ。
 夜中咳が止まらず苦しくなる都度台所へ行った。灯りをつけ床にしゃがんで腹を抱え参拾分もそうしていると咳が治まってくるので、冷蔵庫から水を取り出し飲んだ。其の都度卓に置いてあるひまわりだの壁に掛けたサンキライだの窓辺のがじゅまるだのが眼に止まった。彼らが呼吸しているとあたしが想っているからなのか、実際そうであるからなのか、はわからないけれど、なんとなく彼らの呼吸するのを感じると、彼らに返答するように平気だとつぶやく自分がいた。
 今朝も涼しかった。珈琲を淹れ牛乳をたっぷり注ぐとあたしの顔はいつものあたしの顔になっていた。

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曼珠沙華


 雨の降る中、廻り道をした。曼珠沙華目当てに公園に行くと、丁度満開になっていた。焔をまとったような花だと想う。けれど特別激しさは感じない。いつしか憎しみの感情だけが自分から切り離されると、あとはみな同じような雰囲気や温度を持つもだのと想うようになった。それでも今もあたしが遠い眼をしているのに変わりないのだろうか。遠くへ遠くへと、描く風景に終わりは無く、武蔵野線の窓に覗く空を傘の向こうに想い浮かべていた。今日は此処にいる。此の場所も好きだけれど、やはり明日はどうなるかわからない。今日帰る場所は決して明日帰る場所にはならない。
 家に帰り、舌に残る薬の味を買ってきたあまいミルクティーと林檎のタルトで消した。茎を少しづつ切り持たせたひまわりもとうとう切るところがなくなってしまった。雨がいっそう気温を低くし、秋の色を濃くしている。臥せてからだいぶ時が経ったらしい。薬を貰いに行く必要ももうないだろう。こうしてあたしはまた人の中に戻っていくけれど、其れが自分が人である証になるとは言えない・・・。胸から顔を出した曼珠沙華に不思議がることもなくひとつ咳をすれば、夕闇が手に乗ってきた。今日は静かな夜になる。後のことは眠ってから考えよう。

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此の秋のはじまりに


 昨夜は真夜中に壱度も起きることなく済んだ。やっと咳が治まりつつあるらしい。
 布団をあげることこそしなかったが、睡眠が確保できた為か気分もなかなかの朝になった。久し振りに珈琲を飲み、パンに塗って食べようと黒すぐりのジャムを開けた。一緒に胡瓜のピクルスの瓶も開けてしまおうかと想ったけれど、其れは胡瓜が高くなってからにしようと考え直した。弐キロ減った体重きっとすぐに戻るだろう。
 壱週間臥せているうち気温もぐっと下がった。上に壱枚羽織らないといられない。駅前の公園には曼珠沙華が咲いたと聞いた。今年は秋が早い。
 季節は何度も巡ってくるのに、迎えるとなるとまるで其れは初対面であるかのようにあたしを驚かせたり嬉しがらせたりする。
 咳が消えたら何処かへ行こう。おなもみにやまごぼうにからすうりにじゅずの実と、今年も沢山みつけられるだろうか。

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咳ぜんそく


 高い熱が続くので急性腎炎にでもなったのだろうかと想っていると、咳が出るようになった。痰が切れない嫌な咳だった。風邪をうつされないよう気をつけても、周りで流行っていると逃れられなくなったりもする。
 マスクをするのが苦しいならせめて咳をするときは口にタオルでも当ててくれと、と祈るような気持ちで想うものの泣き出しそうな場面にばかり出くわしている。
 人から遠く離れた場所で暮らしたいと、そんな気持ちがむくむく湧いてきて、気付くと万年床を作ってしまっていた。

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